#30 eラーニング復旧に向けて

2024.08.30
 eラーニングサイトの復旧に向けた取り組みで、清水副会長から、会派向けに現状について説明する文書をいただきましたので、若干構成などいじりつつ(ナンバリングだけ)、ほぼほぼそのまま、私からご紹介させていただきます。

第1 重要なお知らせ

 

1 暫定サイトの開始

 2024年9月下旬から、暫定サイト「eラーニングサービス LStep」の利用を開始します。
 「LStep」とは、委託業者であるNTT ExCパートナー社(以下「NTT」といいます。)が運用するクラウド型eラーニングサービスの名称です。
 当初60講座からスタートさせて、その後、50講座を追加する予定です。

 

2 eラーニングサイトの復旧時期

 現行のeラーニングサイトを復旧させる場合は、2025年3月となる見込みです(現行のeラーニングサイトを復旧させる場合の問題点、他の手段の検討内容は、後記第3のとおりです。)。

3 日弁連の暫定サイトのご案内(継続研修の単位取得の対象)

 日弁連の会員専用内のeラーニングサイト(暫定サイト)において、研修動画をYouTube(限定公開)で配信しています。
 これを受講した場合には、継続研修受講報告書を提出するか、特別サイトに必要事項を入力すれば、当会の継続研修の履修単位(10単位)として認定されることになります。
 詳細は、当会会員専用サイトの2024年8月26日(月)のお知らせ「日弁連総合研修サイト暫定サイトについて」をご参照ください。

第2 一体、何が問題になっているのか。

 NTTから、2024年8月2日に、
⑴ 暫定サイト「eラーニングサービス LStep」(クラウド型eラーニング)を無償提供する
⑵ 2025年2月中旬ころにeラーニングサイトを無償にて復旧させる
との条件が示されましたので、これで話は簡単に進んでいきそうに思えたのですが、そうは問屋が卸しません。

 NTTから、eラーニングサイト復旧後の保守費用を年間336万4900円(税抜)増額するとの条件が示され、さらに、今後のセキュリティ対応費用=バージョンアップ費用として年間1320万円(税抜)以上かかる見込みであるとの費用見積が出されたのです。
 もちろん、NTTの提案内容を丸のみする必要はないと考えていますが、さりとて今後のセキュリティ対策の重要性・必要性を考えると、2025年度以降、相当の保守費用、セキュリティ対策費用が必要となることは不可避です。
 当会は、2023年度に12年ぶりの赤字決算となり、今年度以降も赤字決算となる可能性が高いために(会費収入が減少していることが要因の一つです)、経費を削減させるための様々な方策を検討することになった次第です。

第3 eラーニングについての状況報告メモ

 以下に、NTTの提案内容、当会の方針、検討状況について、清水筆頭副会長が作成したeラーニングについての状況報告メモを転記させていただきます。

1 委託業者であるNTTの提案内容

⑴ 暫定サイト
①暫定サイト「eラーニングサービス LStep」(クラウド型eラーニング)にて、50本の研修動画を掲載する。
②開始時期は、2024年9月中旬ころ
③初期費用、ランニング費用はNTTが負担する(約647万円相当)

⑵ eラーニングサイトの復旧
① サーバーの更改費用は、NTTが負担する(約1028万円相当)
② 開始時期は、2025年2月上旬ころ(ただし、8月末までに契約締結をする場合)
③ 保守費用の増額
 現行の保守費用から年間336万4900円(税抜)を増額する(セキュリティ対策、脆弱性診断を追加するため)。
④ 今後のセキュリティ対応費用=バージョンアップ費用の見積(3年度分)
→ 各年度バージョンアップを最小限~最大限とする場合の費用見積(税抜)
       最小限~最大限
・2025年度 1320万円~2840万円
・2026年度 1900万円~3590万円
・2027年度 510万円~2560万円

2 当会の方針・検討状況

⑴ 暫定サイトについて
 2024年9月末ころに、暫定サイト「eラーニングサービス LStep」(クラウド型eラーニング)を開始することとした。60講座でスタートする。その後、50講座程度を追加する予定である。
 当初、費用削減の観点から、eラーニングから、ユーチューブへの移行の可能性を念頭において、9月、10月の2か月間のユーチューブの試行を検討していたが、後記の問題点があることを考慮して、暫定サイト「eラーニングサービス LStep」を開始することした。
(ユーチューブの問題点)
・外部に漏れるリスクがあるため、講師が①ここだけの話ということがより一層言えなくなる、②ユーチューブへのアップを拒否することもあり得る。
・履修管理が難しい。テストができない。
・研修動画377本の全ての講師から、著作物利用許諾書を取り付けるのは事実上不可能である。特に、研究者、裁判官、異業種・他士業、他会の弁護士などの外部講師からの取り付けは難しく、外部講師による研修の多くがユーチューブにアップできなくなってしまう。
・以上のことを考えると、eラーニングからユーチューブへの切り替えは、会員サービスの低下に繋がることになり、得られるコスト削減のメリットとの関係において、会員への説明が付かないと判断した。
 ただし、将来のユーチューブへの移行を選択肢として残すために、今後実施する研修の著作物利用許諾書には、ユーチューブも明示する予定である。

⑵ eラーニングサイトの復旧
 現在検討しているのは、下記の3案である。

①NTTの提案のとおり、eラーニングサイトを復旧させる案
→ 日弁、東弁とも、この案の方向で検討している(8月26日現在)。
→ eラーニングサイト復旧後の保守費用の増額、セキュリティ対応(バージョンアップ)費用が大きなネックとなっている。日弁、東弁とも共通の問題であるため、統一交渉を行うことになる。
→ 2025年3月中にeラーニングサイトを復旧させるには、9月中に契約を締結する必要がある。

② 「eラーニングサービス LStep」(クラウド型eラーニング)を本格運用させる案(これまでのeラーニングに替えて、クラウド型のeラーニングに切り替える案)
→ メリットは、利用料金だけとなり、保守費用、セキュリティ対応(バージョンアップ)費用が発生しないことである。デメリットは、当会独自のカスタマイズができないことである。現在、研修動画377本+α、会員数を踏まえた見積書の提出を待っている段階である。
→ ①案(2025年3月中)より早く、本格運用をスタートさせることができる。

③ 他の業者のクラウド型eラーニングを運用する。
→ 3社から見積書を取り付ける予定である。
→ デメリットは、日弁連の研修サイトと別業者になることである。