#31 当会会員について破産申立を行いました。

2024.08.31
副会長辻村です。

副会長の仕事には神経を削がれるものもございます。 先輩の副会長の方々に敬意を表する気持ちになるものです。

昨年度よりの引継案件である川口正輝会員の問題について、72条担当でも、懲戒担当でもないのに担当することになり、就任直後から日々頭を抱えてきましたが、前年度理事者と清水筆頭副会長と企画調査室の強力な援護のもとに、債権者破産へと進めました。私は、検察庁対応と市民対応を中心として動いてましたが、ようやく一区切りつきましたのでご報告します。

昨年10月23日、当会は、川口正輝会員に3つの懲戒事由(①非弁提携による72条違反、②誇大広告や虚偽情報の提供による職務基本規程及び業務広告規程違反、③委任契約締結にあたって事件の見通しや処理の方法について適切な説明をしなかったことによる職務基本規程違反)があるとして懲戒手続きに付し綱紀委員会に調査を求め、12月20日、これらの事実と理由について公表しました。

その後、本年2月28日、大阪地検特捜部が川口会員の事務所に対する捜索差押を行い、5月29日には、令和4年12月から令和5年7月までの間に広告会社の代表者らに弁護士名義を使用させて詐欺被害者17名から着手金約1800万円を受領したことについて、弁護士法違反を被疑事実として同会員(ほか4名)を逮捕し、6月18日には起訴しました。

起訴後、刑事弁護の枠内で起訴対象となっていない被害者に対しても遍く弁償対応がなされるよう、内々に執行部と有志で取り組んでおりましたが、なかなか実効性のある対応がとれないまま推移し、このまま放置していては、起訴対象となった案件の被害者にのみ弁償がなされ、その余は放置されるのではないかとの懸念が生じました(現実に川口会員側から積極的に全被害者に対して全額返金の対応を行うことは不可能であり、また、川口会員が今後弁護士資格を失うことが想定される中で、紛争発生の呼び水となることをあえて引き受けて返済可能な額<一部返金>の連絡を自ら全依頼者に行うことも想定し難く、結局いつまでたっても被害回復が進まないことが目に見える状況となりました)。

会として川口会員の依頼者からの不安や疑問に答えるために特設電話窓口を設けてアドバイスはしていましたが、潜在的に被害者が2000人にも及ぶことも想定されるケースで、しかもいまだに川口会員逮捕の事実すら知らない依頼者も存在する中で、このまま事態に気付いた依頼者の個別の権利行使だけを案内していては弁護士会としては責任ある対応とは言えないと判断し、刑事事件が進行する前であり、一定の被害弁償原資が残っていると想定されるうちに、破産手続を求めるべきとの判断となりました。

7月末からスタートし、8月20日にはほぼ準備を終え、8月26日に申立て、8月27日には弁済禁止の保全命令が発令されました。まだこれから審尋がありますので、予断を許さない状況ではありますが、4月からあらかた5ヶ月間この問題にとらわれていましたので、私的にはひと段落つき、ようやく所信に書いたことを進められる状況になりました。

会が債権者となっての破産をどう行うかについて、企画調査室や有志の会員には理論的な面や実務的な面で多大なるお力をお貸しいただきました。この場でいっても仕方ありませんが、感謝の意を表したいと思います。あ、28日に記者会見に参加するために散髪に行ったのに、どこも写真も映像も使ってくれませんでした。徒労なり。

それと、懸案の年次報告書ですが、8月30日午後3時が最終締切でした。法友倶楽部は会派全体では2位の提出率で、私も助かりました。でも、本日昼前に誰も無所属に手をつけていないことが判明し、成績悪い会派の副会長が役員室にいないので、忙しい中、今日お願いして今日出してくれそうな無所属の若手と2会派の若手数十人にマシンガンのように電話かけをしました。これに影響を受けて他の副会長たちも電話かけに躍起になり、結果、今日だけで100人以上の方が提出してくださいました。 もっと早くに電話してれば良かったです。さすがに疲れましたわ。。

では、明日は台風で大変そうなので大人しくしておきます。いや、法科大学院協力センターのロールームで挨拶がありました。うーん、きちんと休めませんね。