#26 相談センターについてのシンポジウム
2024.07.18
今日もいろいろありましたが、公正会が、私の担当である法律相談センターに関するシンポジウムをされていたので、誘われてもなかったのですが、任意に参加してきました。
いつも一緒に仕事をさせてもらっている中井委員長や森岡前年度副会長が講師とパネリストとして参加していましたので、勉強させてもらおうというのと、他会派のシンポジウムの雰囲気はどんなものかと味あわせてもらおうと思いまして。
割と登壇者が主観的に語るシンポジウムでしたので、話を聞きながら、報告内容から離れて自分なりに思考をめぐらせ、出ていた情報を分析しながら聞かせていただき、おかげで、自分なりに気になる点にアンテナを立てることができました。
企業でもトップラインの向上(売上を目指す経営)か、利益を目指す経営か、みたいな視点の違いがありますが、相談センターは、量を増やすことと質(利益率であり、クオリティーであり)を高めることの志向のバランスをどこにとるか、非常に難しいなと考えながら聞いていました。相談センターのあり方について会員間にあまりコンセンサスといえるものはない、というところから考えないと、会員への説明の程度、ロイヤリティへの配慮の程度も見定められません。
政策でも触れていますが、私は、現状では個人的には相談センターの相談料の恒常的な低額化は避けたいと考えていますし、少なくともこうしたことは相談センターのあり方論についてのフィロソフィーを会員間で議論したうえでなされるべきと考えています。もちろん皆さんの意見がある程度一致するのであれば、個人の考えは抑えて対応しようと考えています。そんなことをいろいろと考える機会となりました。
ただ、配布された統計資料をみていて、1000円キャンペーンを抜きにしても、コロナ前とコロナ後で相談センターの受任率があらかた5ポイント(23%→18%)下がっていることは見過ごせない事実だと感じました。要は、弁護士が相談を終えた後に以前より全件のうち5%依頼を受けられていない、という事実です。もし同じ率で受けられる事件があったとすれば、22%(18/23=78%なので、22%の割合で前より受任できてない)取り逃している、ということです。この要因は、①事件の成熟度等の相談案件そのものの質の要因、②依頼者側の要因、③弁護士側の要因、に概ね分けられると思いますが、③のうち、相談担当弁護士の回答や接遇の質が影響している可能性もあります。ちゃんと回答できていない、受けてよい事件でも受けていない、など。あくまで仮説ですし、ないかもしれませんが、これは分析してみないといけないな、と思いました。ひょっとして、自取りの影響もあり得るのかもしれません。いずれにしても、この受任率に一つのアンテナを立てたいと思います。
相談センターの相談の質を引き上げる研修、というのは、やはりきちんと考えないといけないのではないか、と考えています。
あと、他意はありませんが、過去にみてきた法友のシンポジウムはいろんな意味でクオリティや熱意が高いなと思った次第です。
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